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思い込みを手放すと世界が広がる
2015年、ヨーガの学びを深めるため、はじめてインドを訪れました。
文化の違いに驚くことはたくさんありましたが、中でも印象的だったのが 「野良牛」 の存在。
インドの街を歩いていると、あちこちに牛がいます。
しかも、野良猫みたいな可愛いサイズ感じゃなくて……(笑)
さらに、牛たちは道路をゆったりと横断していきます。
当然、車は大渋滞。だけど、誰一人クラクションを鳴らしたり、急かしたりしません。
運転手たちは、牛が渡りきるまでじっと待っているんです。
なぜなら、牛はインドの人々にとって 神聖な存在 だから。
インドの現在の人口は約14億6,400万人。そのうち約8割、11億5,200万人がヒンドゥー教徒だと言われています。
ヒンドゥー教では、シヴァ神が「ナンディン」という聖なる牡牛に乗っていることから、牛は特別な存在とされ、牛肉を食べることはタブーとされています。
だから、インドの人たちは牛肉を食べない。
多くの方が、そう思っているのではないでしょうか?
でも、実は…
ちょっと待ってください‼︎
インドは、世界で第4位の牛肉消費国なんです‼︎
「えっ⁉︎さっきと言ってること違わない⁉︎」
そんな声が聞こえてきそうですね(笑)
でもこれには、きちんと理由があります。
インドには、ヒンドゥー教以外にもたくさんの宗教が共存しています。
2011年の国勢調査によると、
- ヒンドゥー教 79.8%
- イスラム教 14.2%
- キリスト教 2.3%
- シーク教 1.7%
- 仏教 0.7%
- ジャイナ教 0.4%
と、実に多様です。
イスラム教徒は豚肉を禁じていますが、牛肉は食べます。
キリスト教徒も同様です。
この割合を人口に換算すると、実に3億人以上が牛肉を食べる可能性があるんです!
3億人…!
日本の人口よりも多く、そしてブラジル(現在の人口 約2億1,280万人)よりもはるかに多い規模です。
そのため、インドはアメリカ、中国、ブラジルに次いで、世界第4位の牛肉消費国になっている、というわけです。
私たちはつい、「知っているつもり」になってしまうことがあります。
でも、角度を変えて見ることで、思ってもみなかった景色が見えるかもしれません。
例えば、「あの人はこういう人だ」と決めつけてしまったり、
「この状況だから無理だ」とあきらめてしまったり。
そんな【思い込み】が、知らないうちに視野を狭くしていることも。
近年注目されている マインドフルネス(今この瞬間をありのままに感じること)
これを妨げる大きな原因も、思い込みだと言われています。
本当は目の前にある可能性に気づかず、自らシャッターを下ろしてしまっているかもしれない。
だからこそ、
「思い込みを手放して、いろんな角度から見てみる」
それが、豊かに生きるヒントになるのではないでしょうか。
ヨーガの教えの通り、マットの上だけでなく、日常でも。
私たちはいつでも、自分をアップデートできる。
今日も、そんな新しい視点に出会える一日になりますように!