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6月21日は国際ヨガデー
― 世界が「ひとつの呼吸」でつながる日 ―
国際ヨガデーとは?
国際ヨガデー(International Day of Yoga)は、2014年12月11日、国連総会での圧倒的多数での採択によって制定された、比較的新しい国際デーです。
そのきっかけは、同年9月、インドのナレンドラ・モディ首相が国連総会での演説において提案した一言でした。
「ヨガは、インドの古代の伝統がもたらしたかけがえのない贈り物です。それは、心と身体、思考と行動、抑制と充足、人間と自然との調和を体現するものです。」
この呼びかけに、世界193カ国中177カ国以上が賛同。わずか3ヶ月後には正式に国際デーとして採択されました。
国連決議としては異例ともいえるスピードと賛同数。そこには、ヨガが宗教や文化、言語、国境を超えて「人間の心身に普遍的な恩恵をもたらすもの」として、世界中で深く認識されていることの証があらわれています。
なぜ6月21日?
6月21日が選ばれた理由もまた、象徴的です。
この日は夏至。北半球において、1年で最も太陽が高く昇り、昼が長くなる日です。
太陽は、生命エネルギーや光、成長の象徴とされており、ヨガの精神――「自己を照らすこと」「自然との調和」「内なる目覚め」と深く結びついています。
国際ヨガデーの価値と社会への意義
1. 世界の調和と平和への願い
国際ヨガデーが単なる「ヨガをする日」ではなく、国連によって公式に認定されているという事実は、
ヨガが平和的で調和のある社会づくりに貢献する知恵とみなされていることを意味しています。
ヨガは「競わない」「比べない」「奪わない」という原則をもとに、
心の安定、自己受容、他者とのつながりを育む実践です。
つまり、自分との対話を深めることで、争いの根本である「不安」や「恐れ」を超えていく道でもあります。
この国際デーは、心の平和が社会の平和へと広がっていく、その第一歩を思い出させてくれる時間なのです。
2. 科学に裏づけられた心身への効果
近年、世界各国の研究機関がヨガの効果を科学的に検証し、多くの成果が報告されています。
たとえば
- 自律神経の安定
- 血圧の調整、呼吸機能の改善
- 慢性ストレスの軽減、うつ症状の緩和
- 睡眠の質の向上、疲労回復の促進
- 集中力・注意力の向上
また、心理的な側面では、
- マインドフルネス(今ここに在る意識)
- セルフ・コンパッション(自己へのやさしさ)
- 感情のセルフコントロール
など、多くの“現代人の課題”にアプローチできると注目されています。
特にパンデミック以降、世界中で「予防医療」や「心のセルフケア」としてのヨガの重要性が見直されつつあります。
3. 文化と地球とのつながりを取り戻すきっかけに
ヨガは、数千年にわたってインドで育まれてきた智慧であり、
同時に自然とともに生きる感覚を思い出させてくれる「文化的遺産」でもあります。
ヨガの実践は、わたしたちが日々の忙しさのなかで忘れがちな、「自然の一部としての自分」を思い出させてくれます。
国際ヨガデーは、そうした価値をあらためて社会に問い直し、
文化の継承・環境意識の促進・持続可能なライフスタイルの実践へと導く、静かな呼びかけなのです。
最後に
毎日、様々な国と地域で、誰かが静かに呼吸を整え、ヨガのポーズをとっています。
それはひとつの小さな行為であると同時に、「調和の波」を広げていく大きなうねりの一部でもあります。
6月21日。
あなたも、自分の呼吸にそっと意識を向けてみてください。
それは、自分自身を整えると同時に、
きっと、世界とやさしくつながる一歩になります。