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【読むヨガ】白露 次候 鶺鴒鳴(せきれいなく)
2026年9月13日〜9月17日は、七十二候のひとつ、白露 次候 鶺鴒鳴(せきれいなく)
水辺や道端で、長い尾を上下に振りながら歩く鶺鴒(せきれい)の声が聞こえる頃です。
夏の強い日差しが少しずつ和らぎ、朝夕には秋らしい空気を感じるようになる9月半ば。
鳥の声、風の温度、空の高さ。
自然に耳を澄ませてみると、季節が少しずつ変わっていることに気づきます。
鶺鴒鳴は、耳を澄ませることで見えてくるものがある季節です。
聞くこと、聴くこと
私たちの周りには、いつもたくさんの音があります。
人の話し声。
車の音。
風の音。
鳥の声。
そして、自分自身の呼吸の音。
けれど、音が「聞こえている」ことと、意識して「聴いている」ことは少し違います。
忙しいときほど、私たちは次にすることや考え事に意識を奪われ、今ここで起きていることを受け取れなくなります。
一度立ち止まり、耳を澄ませてみる。
すると、それまで気づかなかったものが少しずつ感じられるようになります。

ヨガと「自分の声を聴くこと」
ヨガでは、身体を思い通りに動かすこと以上に、身体から届いているものを感じることを大切にします。
今日はもう少し動けそう。
今日は少し休みたい。
この動きは心地よい。
ここには少し違和感がある。
身体はいつも、さまざまな感覚を通して私たちに何かを伝えています。
ところが、「もっとできるはず」「昨日はできたから」と頭で判断していると、その声が聞こえなくなることがあります。
ヨガの時間は、身体に命令する時間ではなく、身体との対話を取り戻す時間でもあります。
答えは、外にあるとは限らない
何かに迷ったとき、私たちは誰かの意見や正解を探したくなります。
もちろん、人の言葉に助けられることもあります。
けれど最後に自分の人生を選ぶのは、自分自身です。
そのためには、ときどき外から入ってくる情報を静かにして、自分が何を感じているのかを確かめる時間が必要です。
ヨガでは、呼吸に意識を向けることで、外へ散らばっていた意識を少しずつ自分の内側へ戻していきます。
静かになると、何か特別な答えが現れるわけではありません。
ただ、余計なものが少なくなることで、自分がすでに感じていたことに気づきやすくなるのです。
鶺鴒の声に気づける余白
七十二候のおもしろさは、大きな自然現象だけを季節の目印にしていないことです。
一羽の鳥が鳴く。
草に露が宿る。
虫の声が変わる。
そんな小さな出来事から季節を感じ取ります。
そのためには、少しの余白が必要です。
急いで歩いていれば聞こえなかった鳥の声も、立ち止まれば聞こえるかもしれない。
私たち自身の身体や心の声も、同じなのではないでしょうか。
スタジオからのひとこと
9月13日〜17日。
鶺鴒の声が秋の訪れを知らせる頃。
この時期は、何かを足すことよりも、少し静かに耳を澄ませてみてください。
呼吸の音。
身体から届く感覚。
心の動き。
普段は気づかず通り過ぎているものの中に、今の自分を知るための小さな手がかりがあります。
ヨガの時間くらいは、外の情報から少し離れて、自分自身の声を聴いてみる。
どうぞこの時期は、「自分の内側に、静かに耳を澄ませるヨガを。」
豆知識|鶺鴒鳴(せきれいなく)
鶺鴒は、細長い身体と長い尾が特徴の鳥です。日本ではハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイなどを見ることができ、尾を上下に振りながら歩く独特の姿でも知られています。
また、鶺鴒は日本神話にも登場します。
『古事記』などに伝わる国生みの神話では、イザナギとイザナミが鶺鴒の姿から男女の結びつきを知ったという伝承があり、古くから夫婦和合や縁を象徴する鳥としても扱われてきました。
ただし、七十二候の「鶺鴒鳴」は、この時期に初めて鶺鴒が鳴き始めるという厳密な生態暦ではありません。
身近な鳥の声に季節の移ろいを重ねた、昔の人々の自然観を表した言葉です。
前候の「草露白」では露を目で見て秋を感じ、鶺鴒鳴では鳥の声を耳で聴いて秋を感じる。
五感を使って季節を感じることは、今ここに意識を向けるヨガにも通じています。
