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【読むヨガ】霜降 初候 霜始降(しもはじめてふる)
2026年10月23日〜27日頃、七十二候は、霜始降(しもはじめてふる)を迎えます。
朝晩の冷え込みが深まり、草木や地面に霜が見られ始める頃です。
二十四節気では「霜降(そうこう)」
秋の最後の節気となり、暦の上では冬がすぐそこまで近づいています。
朝、外へ出ると空気がひんやりとしている。
吐く息に冷たさを感じる。
草木には、白い霜が降りている。
ほんの少し前まで残っていた夏の暑さを思えば、季節は確実に進んでいます。
霜始降は、そんな目には見えない変化が、やがて形となって現れる頃です。
変化は、見える前から始まっている
霜は、ある朝突然現れたように見えます。
けれど、その朝から急に季節が変わったわけではありません。
日が少しずつ短くなり、朝晩の気温が下がり、空気が冷たくなり、その積み重ねの先に、霜があります。
私たちの身体や心の変化も、似ています。
ある日突然、身体が柔らかくなったように感じる。
以前より呼吸が楽になっていることに気づく。
同じことで悩まなくなっている自分に気づく。
その瞬間だけを見ると、大きく変わったように感じます。
けれど、その前にはたくさんの小さな変化があります。
見える変化の前には、見えない時間がある。
自然は、そのことを教えてくれます。

ヨガの変化も、すぐには見えない
ヨガを始めると、身体を柔らかくしたい。
姿勢を整えたい。
呼吸を深くしたい。
心を落ち着かせたい。
さまざまな変化を期待することがあります。
けれど、身体も心も、こちらの都合に合わせてすぐに変わってくれるわけではありません。
一回の練習では、何も変わっていないように感じる日もあります。
それでも身体に意識を向け、呼吸を感じる時間を重ねていると、ある日ふと変化に気づく。
以前より無理をしなくなった。
疲れていることに早く気づけるようになった。
ポーズの形より、身体の感覚を大切にできるようになった。
そうした変化も、ヨガの実りです。
目に見える結果だけではなく、気づき方そのものが変わっていくことも、実践の積み重ねなのだと思います。
変えようとする前に、観察する
霜が降りるのは、自然が「冬らしくしよう」と頑張った結果ではありません。
季節が巡り、気温や地面の状態など、さまざまな条件が重なった結果として現れます。
私たちは自分自身に対しても、「もっとこうならなければ」「ここを直さなければ」と、すぐに変えようとしてしまうことがあります。けれどヨガでは、変えようとする前に、まず観察します。
今日の身体はどうなのか。
呼吸はどうなのか。
どこに力が入っているのか。
心はどんな状態なのか。
すぐに答えを出さず、まず今の状態を知る。
すると、無理に変えようとしなくても、必要なことが少しずつ見えてきます。
見えない時間を信じる
何かを続けていると、「本当に意味があるのだろうか」と思うことがあります。
結果が見えなければ、続けていることに不安を感じることもあります。
けれど、植物が土の下で根を伸ばしている時間を、私たちは見ることができません。
季節が一日ずつ秋から冬へ進んでいることも、毎日見ているだけではなかなか分かりません。
それでも、時間は進み、変化は起きています。
ヨガも同じです。
毎回、大きな発見がなくてもいい。
毎回、身体が変わったと感じなくてもいい。
ただ、その日の身体と呼吸に向き合う。
その時間自体が、少しずつ積み重なっていきます。
変化が見えない時間も、変化の途中です。
スタジオからのひとこと
10月23日〜27日。
朝の冷え込みが深まり、初めての霜が見られる頃。
この時期は、自分の中にある小さな変化にも目を向けてみてください。
以前より呼吸を感じられるようになった。
少し力を抜けるようになった。
疲れている自分に気づけるようになった。
休むことを選べるようになった。
大きな変化でなくても構いません。
目に見える結果ばかりを求めていると、その途中で起きている大切な変化を見落としてしまいます。
霜が現れるずっと前から季節が動いているように、私たちの中でも、見えないところで変化は続いています。
どうぞこの時期は、
「見えないものを見るためのヨガを」
豆知識|霜始降(しもはじめてふる)
「霜始降」は文字通り、霜が降り始める頃を表した七十二候です。
ただし、霜は雨や雪のように空から「降ってくる」ものではありません。
晴れて風の弱い夜などに地面や草木の表面が冷え、その表面温度が十分に低くなると、空気中の水蒸気が氷の結晶となって付着します。これが霜です。
そのため、「霜が降りる」という昔からの表現と、実際に起きている現象には少し違いがあります。
また、初霜の時期は地域や標高、その年の気象条件によって大きく異なります。七十二候の日付になれば日本全国で一斉に霜が現れるという意味ではありません。
前の候「蟋蟀在戸」では、虫の声から秋の深まりを感じました。
そして「霜始降」では、朝の草木に現れる白い霜から冬の近づきを感じます。
音から、目に見える変化へ。
自然は少しずつ、その季節の表情を変えていきます。
