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【読むヨガ】霜降 次候|霎時施(しぐれときどきほどこす)

2026年10月28日〜11月1日頃、七十二候は、霎時施(しぐれときどきほどこす)を迎えます。

「時雨(しぐれ)」とは、晩秋から初冬にかけて、晴れていたかと思えば急に雨が降り、しばらくするとまた晴れるような、一時的な雨のこと。空模様が短い時間の中で、晴れから雨へ、そしてまた晴れへと移り変わっていきます。

雨が降ったからといって、その天気が一日中続くとは限りません。少し待っていると、雲が流れ、また光が差してくる。

霎時施は、「今の状態が、ずっと続くわけではない」という自然の姿を見せてくれる季節です。

晴れの日もあれば、雨の日もある

私たちは、できれば毎日を穏やかに過ごしたいと思います。

気分が安定していて、身体の調子がよく、物事が思い通りに進む。

そんな日が続けばいいと思うかもしれません。けれど、実際にはそうはいきません。

気分のいい日もあれば、なんとなく心が重い日もある。

身体が軽い日もあれば、疲れている日もある。

集中できる日もあれば、考えがまとまらない日もある。

それは、私たちが不安定だからではなく、人の身体や心も常に変化しているからです。

天気と同じように、毎日同じではありません。

ヨガでも、毎回違っていい

昨日は楽にできたポーズが、今日は難しく感じる。

先週は気持ちよく伸びた場所が、今日は少し硬い。

呼吸に集中できる日もあれば、頭の中に次々と考えが浮かぶ日もあります。

そんなとき、「前はできたのに」「今日は調子が悪い」とジャッジしまうことがあります。けれど、ヨガは毎回同じ状態を再現するためのものではありません。

その日の身体、その日の呼吸、その日の心を観察する。昨日と違うことに気づくことも、ヨガの大切な実践です。

今日の自分を、昨日の自分と比べなくてもいい。

その日の天気を見るように、まず今の状態を知るところから始めてみます。

感情も、天気のように変わっていく

嫌なことがあったとき、不安になったとき、落ち込んだとき。

その感情の中にいると、それがずっと続くように感じることがあります。

けれど、感情も一定ではありません。

強くなったり、弱くなったり。

別の出来事に触れて変わったり。

時間が経つことで、少しずつ形を変えたりします。

ヨガでは、心に浮かんだものを無理に消そうとするのではなく、「今、不安を感じている」「今、少し焦っている」と、まず気づいてみることができます。

雨を止めようとするのではなく、「今は雨が降っている」と知る。

それだけでも、感情との距離が少し変わることがあります。

雨を悪い天気と決めなくてもいい

晴れは良い天気。

雨は悪い天気。

私たちは、ついそんなふうに分けてしまいます。けれど、自然にとって雨は必要なものです。植物を潤し、土に水を届け、川や地下水を支えています。

人の状態も、「良い」「悪い」だけでは分けられないのかもしれません。元気に動けない日は、身体が休息を求めていることに気づく日かもしれない。

気持ちが落ち着かない日は、自分が何を気にしているのかを知る機会になるかもしれない。すぐに良い状態へ戻そうとするのではなく、まず今の自分を見る。

ヨガは、晴れの日だけの自分を大切にするのではなく、どんな状態の自分とも向き合う練習でもあります。

変化するから、留まり続けない

時雨の特徴は、長く降り続ける雨ではないことです。雲がやってきて雨を降らせ、やがて通り過ぎていく。空は、そのたびに表情を変えます。私たちの身体も、心も同じです。

心地よい状態も変化します。

つらい状態も変化します。

だから、心地よいものをずっと留めておこうとしなくてもいい。つらいものを今すぐ追い出そうとしなくてもいい。ただ、変化していくものとして観察してみる。

「これも変わっていく」

そう知っているだけで、今起きていることとの付き合い方が少し変わるかもしれません。

スタジオからのひとこと

10月28日〜11月1日。

晴れていた空から突然雨が降り、また光が差してくる時雨の頃。

ヨガの練習でも、今日は身体が硬い。今日は集中できない。

今日はなんとなく気分が乗らない。そんな日があります。

でも、それをすぐに「良くない日」と決めなくてもいいのではないでしょうか。

昨日とは違う今日の自分に気づく。そして、今日できる練習をする。

天気が移り変わるように、私たちも変化し続けています。

どうぞこの時期は、「変化する自分を、そのまま観察するヨガを。」

豆知識|霎時施(しぐれときどきほどこす)

「霎」は、しばらくの間、短い時間に降る雨などを表す漢字です。

「時雨」は、主に晩秋から初冬に見られる、降ったりやんだりする雨を指します。

特に日本海側では、この季節になると大陸からの冷たい空気が日本海を渡る間に水蒸気を含み、山地などの影響も受けながら雨雲をつくることがあります。雲が次々と通過することで、晴れていたと思ったら雨が降り、また晴れるという変わりやすい空模様になることがあります。

京都でも「時雨」は昔から身近な季節の風景でした。

和歌や俳句などにもたびたび登場し、単なる気象現象だけでなく、晩秋から初冬へ移っていく季節そのものを感じさせる言葉として使われてきました。

一時の雨が通り過ぎ、また空が変わっていく。

霎時施は、自然の中にある「変わり続けること」を、とても短い時間の中で見せてくれる七十二候です。

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