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【読むヨガ】霜降 末候 楓蔦黄(もみじつたきばむ)
2026年11月2日〜6日頃、七十二候は、楓蔦黄(もみじつたきばむ)を迎えます。
楓や蔦の葉が、赤や黄色に色づいていく頃です。
春には柔らかな新芽を出し、夏には青々とした葉を広げていた木々。
秋が深まり、気温が下がり、日が短くなるにつれて、その姿を少しずつ変えていきます。
紅葉というと、私たちは鮮やかに色づいた瞬間に目を奪われます。けれど、葉はある日突然、赤や黄色になるわけではありません。
目には見えないところで少しずつ変化が進み、やがてその変化が色となって現れます。楓蔦黄は、変わっていくことの美しさを感じさせてくれる季節です。
変わらないことを求めてしまう
私たちは、心地よい状態に出会うと、それがずっと続いてほしいと思います。
身体の調子がいい。
仕事がうまくいっている。
人間関係が穏やかである。
今の暮らしが心地いい。
できれば、その状態を変えたくない。
けれど、自然を見れば、変わらないものはほとんどありません。
春の新緑は夏の深い緑になり、秋には赤や黄色へ変わり、やがて葉を落とします。変化は、何かが悪くなったことではありません。
次の季節へ進むための自然な過程です。

昨日と同じ身体ではない
ヨガでも、いつも同じ身体で練習しているわけではありません。
昨日は心地よかったポーズが、今日は少しきつく感じる。
以前は難しかった動きが、今日は自然にできる。
呼吸が深い日もあれば、浅く感じる日もあります。
身体は、年齢、季節、睡眠、疲労、日々の生活など、さまざまな影響を受けながら変化しています。
だから、以前できたことを今日も同じようにできる必要はありません。
大切なのは、過去の身体を基準にすることではなく、今日の身体を知ること。
「前はこうだった」ではなく、「今日はどうだろう」と身体に問いかけてみる。そこから、その日のヨガが始まります。
変化に抵抗すると、苦しくなる
変わっていくものを、変わらないようにしようとすると、そこには力が必要です。
以前と同じでいたい。
若い頃と同じように動きたい。
これまでと同じやり方を続けたい。
そう思うこと自体は自然なことです。
けれど、変化している自分を否定し続けると、今の自分との間に少しずつ距離が生まれます。ヨガでは、まず今起きていることを観察します。
身体が硬ければ、硬さを感じる。
疲れていれば、疲れを感じる。
心が落ち着かなければ、その動きを観察する。
すぐに違う状態へ変えようとせず、まず今の状態を知る。
変化を受け入れることは、諦めることではありません。
今の自分に合った選択をするための出発点です。
色づく葉は、衰えているのか
秋の紅葉を見て、「葉が緑ではなくなってしまった」と残念に思う人は、あまりいないでしょう。
むしろ、その変化を美しいと感じます。けれど、自分自身の変化となると、私たちは違う見方をすることがあります。
以前よりできなくなった。
昔とは違う。
年齢を重ねた。
それをすぐに「衰え」と捉えてしまう。
もちろん、年齢とともに身体にはさまざまな変化が起こります。でも、変わることのすべてが失うことではありません。
経験を重ねたからこそ分かること。
無理をしなくなったこと。
自分に必要なものを選べるようになったこと。
以前とは違う自分だからこそ、見えるものもあります。
紅葉が新緑とは違う美しさを持つように、その時々にしかない自分があります。
今の色を生きる
春の葉には春の色があり、夏の葉には夏の色があり、秋の葉には秋の色があります。
どれかひとつが正解なのではありません。
私たちも同じです。
過去の自分に戻ろうとするのではなく、まだ来ていない未来の自分を急ぐのでもなく、今の自分を知る。
今の身体。
今の呼吸。
今の心。
ヨガの時間は、変わり続ける自分を、その都度確かめる時間でもあります。
スタジオからのひとこと
11月2日〜6日。
楓や蔦が少しずつ色づき、景色が変わっていく頃です。
京都でも、これから木々の色が日に日に変化していきます。
昨日はまだ緑だった葉が、今日は少し黄色くなっている。
数日後には、さらに違う色になっている。
そんな変化を眺めるように、自分の身体にも目を向けてみてください。
昨日と違っていてもいい。
以前と違っていてもいい。
変化していることに気づいたら、今の自分に合う呼吸や動きを選んでみる。
どうぞこの時期は、「変わっていく自分を、受け入れるヨガを」
