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【読むヨガ】白露 初候 草露白(くさのつゆしろし)

2026年9月8日〜9月12日は、二十四節気は白露(はくろ)

その最初の七十二候が、草露白(くさのつゆしろし)です。

朝晩の空気が少しずつ冷たくなり、草花に降りた露が朝の光を受けて、白く輝いて見える頃。

日中にはまだ夏の暑さが残っていますが、早朝に外へ出てみると、風の温度や空気の匂いが少し変わっていることに気づきます。

ほんの小さな露の一滴にも、秋は現れています。

季節はいつも、私たちが気づくより少し先を歩いているのかもしれません。

気づかなければ、通り過ぎてしまうもの

朝露は、太陽が高く昇れば消えてしまいます。

そこにあったことさえ知らず、一日を過ごすこともできます。

けれど少し立ち止まり、草の葉を眺めてみると、小さな水滴の中に光が映っている。

同じ景色を見ていても、意識を向けることで初めて見えてくるものがあります。

私たちの身体も同じです。

呼吸がいつもより浅い。

肩に少し力が入っている。

今日は足取りが軽い。

なぜか心が穏やかだ。

身体は毎日、さまざまなことを伝えています。

けれど、忙しく過ごしていると、その小さな変化を見過ごしてしまいます。

気づくことは、自分を丁寧に見ること。

それはヨガが大切にしていることのひとつです。

ヨガは「観察する」練習

ヨガでは、身体を思い通りに動かすことだけを目的にはしません。

身体を動かしながら、呼吸はどう変化しているのか。

どこに力が入っているのか。何を心地よいと感じているのか。

今、自分の中で起きていることを観察します。

大切なのは、すぐに良い・悪いと判断しないこと。

「今日はこうなんだ」と、まず気づいてみる。

朝露を眺めるように、自分自身にも静かに目を向ける。

その繰り返しによって、自分の身体や心との距離が少しずつ近づいていきます。

変化は、とても静かに始まる

夏から秋へ移る瞬間を、私たちは見ることができません。

昨日まで夏で、今日から突然秋になるわけではない。

日の長さが少し変わり、風の温度が少し変わり、草に露が宿る。

そんな小さな変化が重なって、いつの間にか季節は秋になっています。

人の変化も、似ています。

毎日ヨガをしていても、その日に大きな変化を感じるとは限りません。

それでも、ある日ふと、以前より呼吸が楽になった。

身体の力を抜けるようになった。

自分の疲れに早く気づけるようになった。

そんな変化を感じることがあります。

変化とは、大きく変わることだけではありません。

気づかないほど小さな変化も、確かに積み重なっています。

朝露は、やがて消えていく

草の上で輝いていた露も、太陽が昇ればやがて消えていきます。

美しいからといって、その姿を留めておくことはできません。

ヨガの哲学には、パリナーマ(変化)という考え方があります。

身体も、心も、周囲の環境も、絶えず変化しています。

心地よい状態も続かない。

つらい状態もずっと続くわけではない。

だからこそ、その瞬間に起きていることをよく見る。

変化を止めようとするのではなく、変化していることに気づいていく。

朝露の儚さは、そんな自然のあり方を静かに見せてくれているようです。

スタジオからのひとこと

9月8日〜12日。

草の葉に白い露が宿る頃。

この時期は、大きな変化を求めるよりも、普段なら見過ごしてしまう小さな感覚に意識を向けてみてください。

今日の呼吸。

身体の重さ。

心の動き。

昨日とは少し違う自分が、そこにいるかもしれません。

何かを変えようとする前に、まず気づくこと。

朝露の一滴を見つけるように、自分の中にある小さな変化を丁寧に見つけていく。

どうぞこの時期は、「小さな変化に気づくヨガを」

豆知識|草露白(くさのつゆしろし)

「草露白」は、草に降りた露が白く見える頃という意味です。

「白」といっても、露そのものが白くなるわけではありません。夜間に気温が下がり、草木の表面にできた細かな水滴が朝の光を受け、白く輝いて見える様子を表しています。

秋の季語でもある「露」は、昔から日本の文学にもたびたび登場してきました。

朝に現れ、日が昇れば消えてしまうことから、移ろいやすさや儚さを象徴するものとしても捉えられてきました。

前候の「禾乃登」では穀物の実りに秋を感じ、草露白では一粒の露に秋を感じる。

大きな景色だけではなく、足元の小さな変化から季節を知る。

七十二候には、そんな自然への細やかな眼差しが込められています。

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